その日の夜。
ベッドの中でぐっすり眠っていたはずの
ふーちゃんは、怪物がでてくる夢をみて
うなされていました。
「へっへっへ。泣き虫はどこだ。
やーい。恐がりめ、でてこい!」
怪物は足を踏みならし、
ドッシンガッシャンと大暴れしています。
「う、う〜ん。ヤダヤダ、怖いよう。」
〜つづく
ベッドの中でぐっすり眠っていたはずの
ふーちゃんは、怪物がでてくる夢をみて
うなされていました。
ふーちゃんは家に帰ると、
湿ってヨレヨレの紙を机の上にそっと広げました。
「……あれ?」
広げた紙は、よくみると
みつけた時とは少し違ってみえます。
外ではキラキラと見えていた光が、
なぜだか今はそれほどでもありません。
青白い輝きが
しゅんとしずんでいました。
「おかしいなあ。」
ふーちゃんは楽譜を手にとって、
ひらひらと動かしてみました。
けれど、なんにも聞こえません。
息をふうっと吹きかけても、
ポンともピンともいいません。
「あれれ。なーんだ、がっかり。」
〜つづく
あかるくなるような暖かい音色です。
夕暮れの道、空には白いお月様が
浮かんでいます。
風に揺れて、ふーちゃんの胸の楽譜が
また、ポロンポロンとひびきました。
「わあ、すごい!いいもの見つけた。」
〜つづく
草をかき分けてみると、
一枚の紙切れがありました。
さっきまで降っていた雨と草の露で、
よれよれになっています。
雨がやんで、道の上には
小さな水たまりが
ぽつんぽつんとできていました。
「あめ、やんだ!」
窓から外を見ていたふーちゃんは、
お散歩にでかけることにしました。
お気に入りの赤い長靴をはいて、
「しゅっぱーつ!」
〜つづく