すずの音風の音(すずのねかぜのおと)
ふーちゃんは家に帰ると、
湿ってヨレヨレの紙を机の上にそっと広げました。
「……あれ?」
広げた紙は、よくみると
みつけた時とは少し違ってみえます。
外ではキラキラと見えていた光が、
なぜだか今はそれほどでもありません。
青白い輝きが
しゅんとしずんでいました。
「おかしいなあ。」
ふーちゃんは楽譜を手にとって、
ひらひらと動かしてみました。
けれど、なんにも聞こえません。
息をふうっと吹きかけても、ポンともピンともいいません。「あれれ。なーんだ、がっかり。」
〜つづく