2024年2月9日金曜日

すみれさんと雨7(全16)

 


「どこへ続いているのかな。」

すみれさんは糸をたよりに奥へと進んで行きました。

カタカタカタ、コト、カタン。

規則的な機械の音がひびいてきます。

 

突然、丸い壁に囲まれた

高い天井の部屋にたどり着きました。

ドーム型の壁は、まるで

スプーンでくりぬいたゼリーのよう。

入口のカウンターには、

つやつやの布地がつまれている大きな箱が

いくつもならんでいました。

 

部屋の丸い壁にそって洋服かけがぐるりとならび、

そこには沢山のドレスがかけられています。

ドレスにはやわらかなカバーが掛けられ、

カバーには一つ一つ名前が書いてありました。〜つづく