かわむらすずみ 絵本のお話
「はあ、たすかった。あ、そうそうスカーフ。」
すみれさんは胸元のスカーフをほどいて、
両手に広げてみました。
「あっ。」
小さな風がふきました。
スカーフは、ぴゅうっとすみれさんの手を離れて
そのまま上へ上へと飛んでいきました。
そしてあっという間に豆粒くらいに小さくなった後、
とうとうすっかり見えなくなってしまいました。
パーッと、雨上がりの空に虹がかかりました。
「わあ、きれい!」
すみれさんは、七色の大きな虹を
いつまでもみつめていました。 〜おわり(全16話)