少し先に、ひらひらと舞う黄色い蝶がみえました。
みーの毛糸のリボンです。
ゆっくり進んでいくと鈴の音がすぐ近くからきこえます。
りん、りりん。
すみれさんは、そっと手をさしだしました。
すすっとまばたき2回したところで、
いつの間にか元の水たまりの前に立っていました。
日が落ちて茜色の雨上がりの道に、
ぴょんぴょんとはねまわるこねこのみーがいました。
首にむすんだ黄色い毛糸が
みーの首元でうれしそうに踊っています。
「ああ、よかった。ありがとうね、みー。」
水たまりをのぞくと、
中の光はもうみえませんでした。 〜つづく(次回16話で完結)