かわむらすずみ 絵本のお話
「あら。」
しばらく進むと、雨のいとが
だんだん細くなっている事に気がつきました。
「急がないと……。わっ、大変!」
水たまりの入口まであともう少し、というところで、
手元の糸が急にぷつんと切れてしまいました。
来た道を明るく照らしていた糸車の光は消えて、
あたりはすっかり暗くなってしまいました。
ほんの、もう少しなのに。
(どうしよう。)
り、りんりん。
どこからか、みーの首につけた鈴の音が聞こえました。
「みー!」 〜つづく