2024年2月16日金曜日

すみれさんと雨14(全16)

 

「あら。」

しばらく進むと、雨のいとが

だんだん細くなっている事に気がつきました。

「急がないと……。わっ、大変!」

 

水たまりの入口まであともう少し、というところで、

手元の糸が急にぷつんと切れてしまいました。

来た道を明るく照らしていた糸車の光は消えて、

あたりはすっかり暗くなってしまいました。

 

ほんの、もう少しなのに。

(どうしよう。)

り、りんりん。

どこからか、みーの首につけた鈴の音が聞こえました。

「みー!」   〜つづく