かわむらすずみ 絵本のお話
「私も一度くらい、そんなすてきなドレスを着てみたいな。
でも、残念。予約で一杯なのね。」
「はい。せっかく来ていただいたのに、すみません。
そうだ、見本の布地で作ったサービスの品です。
こちらをどうぞお持ち下さい。」
仕立て屋さんはそう言うと、たくさんの布が入った箱の中から
きれいにたたまれた布を一枚取り出しました。
広げてみると、虹のドレスの端切れで作られた
七色に輝くスカーフでした。
「すてきなスカーフ。」
肩にまわして結んでみると、胸元がひんやりしました。 〜つづく