すずの音風の音(すずのねかぜのおと)
そうたの感心した様子をみて、
雪虫はふわりと舞い上がりました。
「ね。わかった?わたしもこれから巣の仕度があるから、さよなら」
雪虫はそういって、
古いヤチダモの木がならぶ公園にむかって飛んで行きました。
「雪が降るんだ。明日から手袋をしようっと」
そうたは、つめたくなった手に
はあっと息を吹きかけました。
そして雪虫が見えなくなるまで見送った後、また走り出しました。 〜おわり