2024年11月20日水曜日

編み物

 

とうとう雪が降りました
写真は数年前に作った石粉粘土の小さい虎くん
(約2センチ)と、
背景はお菓子の空箱に着色しました。
虎くんの帽子と手袋は体と同じ粘土で、
虎模様に映えるピンク。

最初の絵本「ひげのさきまであったかいもの」では、
寒がりの子ネズミ”こちょ”のために
セーターや帽子、手袋など
毛糸を使って小物を制作しました

どれも人形の大きさ(しっぽ抜きで身長5cmくらい)
に合わせて試作を何度も繰り返したので、
色々な太さの毛糸が今も一玉ずつとか残っていて、
出番をいつかいつかと待っているところ。
そして出番はなかなかまわってこない。

少し前に伺った編み物展示会場で、
毛糸在庫量のアンケートをされていました。
私はダンボール一箱以内で、
多分編み物をされるみなさんからすると
少なめの方だと思いますが、
実は洋裁用の布が3箱分くらいはある。

展示会では参加型のイベントものが
色々と工夫されていました。
会場でおみくじならぬ「あみくじ」を引いたところ、

「健康‥40分編んだら立ちあがろう。
 血行をよくして疲労の回復を」とありました。
確かに何をするにもうっかり座りっぱなしが多く、
気をつけようと思いました。

2024年11月14日木曜日

お話の話



通っていた絵本作家養成講座では、
例えば「今日は貼り絵で作ってみよう」みたいな
絵を描く時間が少しあったものの、
ほとんどがそれぞれ自宅で制作してきたお話を読み上げて、
展開をどうまとめるかが主でした。

なので絵に関してはみんなバラバラに
好きな画材で好きなように描くという感じです。
私は当時、ソフトパステルで紙に描いていました。
このお話の絵は、ある日家のパソコンを使って
何か面白いことできないかしらと
考えて我流でやり始めたものです。

ずいぶん前のものなので、今見ると色々粗いです。
ただその時は、何を使おうか自分で考えて、
あちこち迷いながらものを作るのが
楽しかったのを覚えています。

風の日に飛ばされた光る玉はお月様の音符。
ビー玉を数種類撮影して貼り付けました。

机とその上の楽譜は背景と同じく
ペインターというアプリで描いたもの

ふーちゃんと布団は同じ粘土で作っています

2024年11月8日金曜日

お月様のうた12(全12)


しばらくすると、また誰かの泣き声がします。
「うわ〜ん!」
小さな男の子がうなされているようです。
夢の中では、白いシーツのおばけが飛び回っています。
「待て、待て〜。」

隣町のお月様のいる空にも響いてきました。
(よしよし‥)
お月様はまた、しずかにかたむいてから、
男の子の住む町へとすすんでいきました

 

ふーちゃんは、夢の中で
愉快な怪物といっしょにステップを続けました。
足元はお気に入りの赤い長靴をはいています。

枕元には一つ残った銀の音符が
優しくゆれていました。
 
おわり 〜ピン ポロロン

2024年11月7日木曜日

お月様のうた11(全12)


青白い紙の上でフルフルとゆれだした音符は、
またひとつ、浮かびあがると、
ついっと空に上っていきました。
そしてそのまま、つぎつぎとゆれてお月様のいる空に
すいこまれていきました。

音符達が見えなくなると光の手は消えて、
お月様はまた静かにうかんでいるだけでした。

〜つづ

2024年11月6日水曜日

お月様のうた10(全12)

〜ポロロン、ピン、ポロロン〜

「あっはっは。」

 怪物は、さっきの怖い顔を忘れてステップステップ。


そのうち、すみっこで泣きそうなふーちゃんを見つけて

困ったようにぺこりと頭をさげました。

「みんな、僕たちを見て怖がって逃げるから、

 くやしくて意地悪したんだ。ごめんよ。」


あんなに大きかった体も

申し訳なさそうに小さく縮こまっています。

「なあんだ、そうだったの。

 ほらほら、いっしょにダンスしよう!」


ふーちゃんは、もじもじしている怪物の手をとって

夢の中でいっしょに踊り始めました。



〜つづく

2024年11月5日火曜日

お月様のうた9(全12)



音符は、ひとつ、ふたつ、浮かびあがると、

寝ているふーちゃんの枕元に届きました。

〜ポロロン、ピン、ポロロン〜


ふーちゃんの夢の中で、明るい音が聞こえました。

すると、さっきまで暴れていた怪物が、

音にあわせて踊り出しました。

「おや?体がかってにうごくぞ。」

 

〜ポロロン、ピン、ポロロン〜 

踊り上手な怪物は、逆立ちをしたり、

ツノでグルグル回転や、宙返りをしながらダンス。

「わっはは。なんだか、ゆかいゆかい。」


〜つづく

2024年11月1日金曜日

お月様のうた8(全12)

 

ちょうどその頃。

青白く輝きだしたお月様から一本の細い光がのびて、 
静かに街へおりてきました。


光はふーちゃんの部屋にも届きました。

するとお月様が少しかたむいて、

ゆっくり「よしよし」とうなずいたようにみえました。


机の上にのせた銀の音符が

目を覚ましたように、フルフルとゆれだしました。

〜つづく