2024年1月28日日曜日

いちばん雪3(全6)

「君みたいなうっかりやに見つかっちゃうなんて、ついてないな」
そうたの耳元で、雪の粒がまたしゃべりだしました。 
「ゆきむし。わたしはね、雪じゃないから」
声のするほうをみると、
なるほど確かに羽根の下に白いわたをもった虫でした。

うす茶色い体から細い糸くずみたいな足が6本。
けれどそのゆらりと揺れる様子は、
風に舞う小さな雪のかけらのようです。 〜つづく