2023年2月1日水曜日

おしゃべりなうさぎの光る石の話2(全15)


わたしね、前にもこの桜の花びらのように、やわらかな優しいももいろの光を見た事があるんです。いや、わたしの物っていうのとはちょっと違うんですがね。この石はもともとここに?
ああ。魚のお腹から…なるほどね。
 
わたしがどうしてこんな町なかまで来たのか、それは不思議ですよね。ほら見て下さいよ、この長い耳。ほかのうさぎにくらべてもずいぶん立派だと思いませんか。いろんな音がね、それはそれはよく聞こえる耳なんですよ。ええ。そのおかげで、ここにたどり着いたって訳でして。
 
ほら。あそこの川沿いあたり、すごいでしょ。土手に咲くセイタカアワダチソウが。あの風にゆれて、おしゃべりする音。歌う声が。
 
サワサワ、ザザザってね。
 〜つづく
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おしゃべりなうさぎの光る石の話2です。
このお話を書いている時は、うさぎがこちらを見てぐいぐいしゃべってくる様子が浮かんできて、その可愛らしい圧を想像するとなんだか書いていて楽しくなっていきました。