わたしね、前にもこの桜の花びらのように、
やわらかな優しいももいろの光を
見た事があるんです。
いや、わたしの物っていうのとは
ちょっと違うんですがね。
この石はもともとここに?
ああ。魚のお腹から…なるほどね。
わたしがどうしてこんな町なかまで来たのか、
ああ。魚のお腹から…なるほどね。
わたしがどうしてこんな町なかまで来たのか、
それは不思議ですよね。
ほら見て下さいよ、この長い耳。
ほかのうさぎにくらべても
ずいぶん立派だと思いませんか。
いろんな音がね、それはそれは
よく聞こえる耳なんですよ。ええ。
そのおかげで、ここにたどり着いたって訳でして。
ほら。あそこの川沿いあたり、すごいでしょ。
ほら。あそこの川沿いあたり、すごいでしょ。
土手に咲くセイタカアワダチソウが。
あの風にゆれて、おしゃべりする音。歌う声が。
サワサワ、ザザザってね。
〜つづく
::::::::::::::::::::::::::
サワサワ、ザザザってね。
〜つづく
::::::::::::::::::::::::::
おしゃべりなうさぎの光る石の話2です。
このお話を書いている時は、
このお話を書いている時は、
うさぎがこちらを見て
ぐいぐいしゃべってくる様子が目に浮かんできて、
今までそんな書き方をしたことがなくて、
急いで言葉を書き留めなくっちゃという感じ書いていました。
そのうさぎの可愛らしい圧を想像すると
なんだか書いていて楽しくなっていきました。