すずの音 風の音
すずのねかぜのおと かわむらすずみ 絵本のはなし
2024/01/29
いちばん雪4(6)
「はあ、雪じゃないんだ」
そうたのつぶやきに、雪虫は
小さな頭をゆらしながら答えました。
「うん、そう。でも、あなたの言った
『いちばん雪』っていうの。
案外、間違ってないかもね」
「え、そうなの?」
そうたはゆっくりと立ち上がると、
手をもぞもぞと前にさしだしました。
すると雪虫は、あたりまえのように
そうたの手のひらにぴたりと止まると、
また話しはじめました。 〜つづく
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